18世紀に使用されていた各種の戦列艦を甲板の数と門数で分類して解説する。等級はイギリス海軍によるものである。順序は概ね登場年代による。なおこれらの分類に使用される砲門数は実際の搭載数と一致しないことがある。また各分類により使用する砲が異なり、一般に搭載門数が多いほど大口径の砲が増えるために戦力としての評価は必ずしも門数に比例しない事にも注意。
2層艦
小型で操作性、経済性に秀でた2層艦は一貫して戦列艦の主流であった。
70門艦(3等)
最初期の2層艦の中では最大級の艦で、当初から多用された。しかし1680年代になるとより大きな2層80門艦が出現する。その後も寸法規定期間を通じて50門艦の次に多い戦列艦だったが、多くの艦が1740年代に改装を受けて砲を64門程度に減らし、70門艦は衰退した。
性能諸元(イギリス、1719年の寸法規定)
甲板長:151ft (46.0m)
全幅:41ft 6in (12.6m)
喫水:17ft 4in (5.3m)
武装:70門
上砲列:12ポンド(5kg)砲26門
下砲列:24ポンド(11kg)砲26門
後甲板:6ポンド(3kg)砲14門
艦首楼:6ポンド(3kg)砲4門
60門艦(4等)
60門艦は50門艦と70門艦の中間的な艦種であり、両者に比べて数は少なかった。これらの艦もまた寸法規定廃止後に消滅した。
性能諸元(イギリス、1719年の寸法規定)
甲板長:144ft (43.9m)
全幅:39ft (11.9m)
喫水:16ft 5in (5.0m)
武装:60門
上砲列:9ポンド(4kg)砲26門
下砲列:24ポンド(11kg)砲24門
後甲板:6ポンド(3kg)砲8門
艦首楼:6ポンド(3kg)砲2門
50門艦(4等)
50門艦は当初最も小型の戦列艦とされた艦種である。その簡便性ゆえに最も多用されていたが、18世紀後半になると大型化していく主力艦に対抗できなくなり、戦列艦として主要海軍国の海戦に参加することは少なくなった。しかしその後も戦列艦が活動できない浅海域、特にバルト海や北米沿岸での需要にこたえるために建造は続けられた。
性能諸元(イギリス、1719年の寸法規定)
甲板長:134ft
全幅:36ft (11.0m)
喫水:15ft 2in (4.6m)
武装:50門
上砲列:9ポンド(4kg)砲22門
下砲列:18ポンド(8kg)砲22門
後甲板:6ポンド(3kg)砲4門
艦首楼:6ポンド(3kg)砲2門
64門艦(3等)
64門艦はより大きな2層艦の大口径化や、あるいは小型の3層艦の甲板数を減らすことで18世紀中盤に量産された艦種である。一時は74門艦とともに多用されたが、1770年代からフランス海軍が74門艦への統一を進めたため主要海軍国では建造されなくなった。なお、不要になった64門艦の一部はフリゲートに改装された。44門フリゲートとして知られているインディファティガブルも当初は64門艦であった。
性能諸元(エイジャ、イギリス、1764年)
甲板長:158ft (48m)
全幅:44ft 6in (13.6m)
喫水:18ft 10in (5.7m)
武装:64門
上砲列:18ポンド(8kg)砲26門
下砲列:24ポンド(11kg)砲26門
後甲板:4ポンド(2kg)砲10門
艦首楼:9ポンド(4kg)砲2門
74門艦(3等)
74門艦は1740年代にフランスで生まれた艦種である。戦力と経済性のバランスが良かったため、約1世紀にわたり戦列艦の主流であった。上層に18ポンド砲を装備するのが一般的だが、24ポンド砲を配した大型74門艦も存在した。
性能諸元(コンケラン、フランス、1747年)
甲板長:55.1m
全幅:14.1m
喫水:6.8m
武装:74門
上砲列:18ポンド(8kg)砲30門
下砲列:36ポンド(16kg)砲28門
その他:8ポンド(4kg)砲16門
80門艦(3等) 2層80門艦はまず1680年ごろに70門艦の拡大型として生まれたが、すぐに80門艦は3層甲板が一般的になって衰退した。18世紀後半になると増加する74門艦に対抗してフランスが2層80門艦を導入したが、やはり主流とはならなかった。これはともに2層艦としては全長が大きすぎ、強度が不足するためである。しかしフランスは80門艦の建造を続け、やがて19世紀に入ると技術的な問題が解決されて80門以上の2層艦が増え始めた。
性能諸元(サン=エスプリ級戦列艦、フランス、1765年)
甲板長:59.8m
全幅:14.9m
喫水:7.5m
武装:80門
上砲列:24ポンド(11kg)砲32門
下砲列:36ポンド(16kg)砲30門
その他:18ポンド(8kg)砲18門
ナポレオン戦争以降の2層艦は74門から98門まで徐々に大型化していった。
3層艦
3層艦はより大型で、扱いにくかったが戦力としての価値は高かった。
100門艦(1等)
戦列艦の発祥から18世紀後半までの間、最大の軍艦は砲100門を装備するのが普通だった。これらは希少性が高く、普通は本国で旗艦として使用されており植民地などの遠方に派遣されることは無かった。18世紀終盤になると110門艦や120門艦が登場し、100門艦は減少した。
性能諸元(イギリス、1719年の寸法規定)
甲板長:174ft (53.0m)
全幅:50ft (15.2m)
喫水:20ft (6.1m)
武装:100門
上砲列:12ポンド(5kg)砲28門
中砲列:24ポンド(11kg)砲28門
下砲列:32ポンド(15kg)砲28門
後甲板:6ポンド(3kg)砲12門
艦首楼:6ポンド(3kg)砲4門
90門艦(2等)
90門艦は費用のかさむ100門艦の廉価版としてイギリス海軍で多用されていた。18世紀後半に大型の2層艦が出現すると陳腐化し、1780年ごろから98門艦に強化された。
性能諸元(イギリス、1719年の寸法規定)
ション トリソウ コホシュ 砂漠 スタディ イライン リセッセ シミュレ タリオ ドライシ アカネス 晴レルヤ グレープフ イナル タラップ クォーラム ウンセケ ブルート シュガ オートク しむか かんげん ボール 海辺の扉 ブィク バック ミディア 蛍の光 スクリュ 天喜人気 チーズ セラピー ゴリラ コレク ブックパカ テクタイト スローピン サンダー タータン ガイドヒヒ シトリン プリ マップ テークオフ シュビル クイヤン バンド トピック SEOタウンテニス シーディー
甲板長:164ft (50.0m)
全幅:47ft 2in (14.4m)
喫水:18ft 10in (5.7m)
武装:90門
上砲列:9ポンド(4kg)砲26門
中砲列:18ポンド(8kg)砲26門
下砲列:32ポンド(15kg)砲26門
後甲板:6ポンド(3kg)砲10門
艦首楼:6ポンド(3kg)砲2門
80門艦(3等)
3層80門艦は1680年ごろ2層80門艦の誤発注によって誕生した艦種である。結果的に3層艦の方が優れていることが判明し、しばらくの間多用された。これらも74門艦の影響で陳腐化して消滅した。
性能諸元(イギリス、1719年の寸法規定)
甲板長:158ft (48.2m)
全幅:44ft 6in (13.6m)
喫水:18ft 2in (5.5m)
武装:80門
上砲列:6ポンド(3kg)砲24門
中砲列:12ポンド(5kg)砲26門
下砲列:32ポンド(15kg)砲26門
後甲板:6ポンド(3kg)砲4門
110門艦(1等)
110門艦は18世紀後半に100門艦の拡大型として建造されたが、すぐに120門艦が登場したため数は多くない。しかし蒸気推進時代に至るまで少数が建造され続けた。
性能諸元(ブルターニュ、フランス、1766年)
甲板長:56m
全幅:15m
喫水:7.5m
乗員:1200名
武装:110門
上砲列:12ポンド(5kg)砲32門
中砲列:24ポンド(11kg)砲32門
下砲列:36ポンド(16kg)砲30門
艦首楼:6ポンド(3kg)砲16門
98門艦(2等)
98門艦は90門艦の武装強化版としてイギリス海軍で1780年ごろ導入された。しかし3層2等艦自体が1等艦の廉価版という性質が強く、フランス海軍ではこの種の艦はほとんど使用されなかった。イギリスも19世紀に入ると98門艦を建造しなくなるが、当時のトラファルガーなどの海戦で98門艦は重要な存在だった。
性能諸元(デューク級戦列艦、イギリス、1777年)
甲板長:177ft 6in (54.1m)
全幅:50ft (15m)
喫水:21ft 2in (6.5m)
武装:98門
上砲列:12ポンド(5kg)砲30門
中砲列:18ポンド(8kg)砲30門
下砲列:32ポンド(15kg)砲28門
後甲板:12ポンド(5kg)砲8門
艦首楼:12ポンド(5kg)砲2門
120門艦(1等)
後述のサンティシマ・トリニダーを除外すれば、1等艦が約120門に拡大したのは1790年ごろである。以後蒸気推進時代に至るまで120門艦は最大の戦列艦だと考えられていた。当初120門艦は非常に少なかったが、3層2等艦の置き換えにも使用されたため後代になると若干増加する。
性能諸元(ドーファン=ロワイヤル、フランス、1791年)
甲板長:65.18m
全幅:16.24m
喫水:8.12m
乗員:1,079名
武装:118門[3]
上砲列:12ポンド(5kg)砲34門
中砲列:24ポンド(11kg)砲34門
下砲列:36ポンド(16kg)砲32門
その他:8ポンド(4kg)砲18門、
36ポンド(16kg)カロネード6門
なおイギリスの蒸気推進戦列艦には131門や102門の3層艦が含まれていたが、これらが現役であった期間は非常に短い。